質の高い仕事をするためのノウハウがギッシリの価値ある一冊

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目的を持って何かをしようとするときに「これって本当に正しい選択なのかな?」と自問自 答することって誰でもあると思います。ランチのメニューを大盛にするか、並盛にするか。僕自身は、この選択がいかに重要な選択であるかをよく知っていま す。大盛の選択は、今ここにある「満足するためにお腹いっぱい食べた~い」という欲求を満たすという点では正しい選択ですが、年齢とともに代謝効率の悪く なった体型を維持するという崇高な目的にとってはリスキーな選択です。僕の場合は、前者の選択を重ねた結果、現在ダイエットに励んでおります。

話 がそれました。とまあ、日常生活の中であれば、選択を誤ったり、遠回りしたりすることもご愛敬ですし、むしろそんな失敗が人生に彩りを添えてくれたりする ものです。ところが、ビジネス上の意思決定はスピードと精度が求められます。「間違えちゃった。アハハ」では済まれません。結果を出して当たり前。これが プロの世界。

最 小限の労力で最大のアウトプットを導き出す。プロフェッショナルの域に達している人は、知識や経験、勘などを総動員し、呼吸をするような当り前さで、この 作業をしているのだと思います。一流と呼ばれるような人は、さらにその精度が格段に高いのでしょう。どこかの番組ではありませんが、一流には一流の流儀と いうものがあり、そこには職業が変わっても普遍的な共通のマインドというものがあることは、かの番組を見ていればよくわかります。アウトプットが違うだけ で、そこに至るプロセスは本質的には同じといった感じでしょうか。

本書は、本当に価値あるアウトプットを最短距離で導き出すためのプロセ スを誰でもが再現できる形で、わかりやすく紹介してくれています。価値のあるアウトプットを「バリューのある仕事」と本書では呼んでいます。そして、「バ リューのある仕事」を「イシュー度が高く、かつ解の質が高い仕事」と定義しています。課題としての重要度が高く、かつハッとするような解決策を提示できる 仕事といった感じでしょうか。
その上でこう言っています。『世の中で「問題かもしれない」と言われていることの総数を100とすれば、今、この局 面で本当に白黒はっきりさせるべき問題はせいぜい2つか3つくらいだ』と。本書では、この2つか3つの白黒はっきりさせるべき問題をどうやって見つけ、そ の課題をどうやって解決するか、その方法が書かれています。
後半は、仮説を検証して、結果を見せるプロセスについて、その手法が具体的に書かれて おり、リサーチャーにとっては、非常に学ぶところの多い内容となっています。クライアントの課題を調査企画に落すとき、知りたい情報をどうやって集めるか 悩んだとき、データの読み方に悩んだとき、プレゼンテーションを作るとき、思考にブレーキがかかったときなど、ふと立ち止まって手に取りたい一冊です。

2011-03-03 | Posted in ブックレビューNo Comments » 

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