選択肢型の設問のひと工夫

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性別、年齢、職業、年収といった基本属性の質問は、アンケートにはほとんど必ずと言っていいほど付いてきます。あまりに当たり前すぎて、この部分は定型を 切ったり張ったりしながら使いまわしなんてことも珍しくありません。そんな属性質問も、ちょっとした工夫で、データをいつもよりちょっと濃いものにするこ とができてしまいます。
例えば、収入の質問です。

1. 200万円未満
2. 200~300万円未満
3. 300~400万円未満
4. 400~500万円未満
5. 500~600万円未満
6. 600~800万円未満
7. 800~1,000万円未満
8. 1,000~1,500万円未満
9. 1,500万円以上

それぞれの選択肢の区分の仕方は変わっても、まあこんなこんなところが一般的ではないでしょうか。
集 計の際は、加重平均値を設定して平均値を出したりします。例えば、「200~300万円未満」には250万円といった具合に。ここで気になることがありま す。「200万円未満」と「1,500万円以上」って、実際どのくらいの金額の人たちなんだろうか?そんなときに、「その他」の選択肢によく使う「具体的 に」を入れておくと、この疑問が晴れます。

1. 200万円未満(具体的に:        円)
2. 200~300万円未満
3. 300~400万円未満
4. 400~500万円未満
5. 500~600万円未満
6. 600~800万円未満
7. 800~1,000万円未満
8. 1,000~1,500万円未満
9. 1,500万円以上(具体的に:        円)

日本人であれば、こんなことしなくてもおよそ察しがつくものというのは過去の話かもしれません。一億総中流階級と呼ばれた時代は終わり、今は格差社会。経済的な格差は、以前よりもずっと広がっています。そんな時代の傾向をデータで捉えることができます。
何 よりこうした設問が役に立つのが、新興国での調査です。事前に入念にデスクリサーチをしても、なかなか信頼できる統計データを探し当てることができないま ま、手さぐりで落とし所を見つけると言ったことってありませんか?設定した選択肢が、ターゲットする対象者を満遍なくカバーできているかは結果を見ないと 分からないなんてことが。
そんなときに、「自由記述」を設けておけば、回収後に再カテゴリー化もできてしまいます。特に、年収が分析時の重要なファクターとなるような場合では、お勧めです。

もちろん年収に限ったことではありません。下限値と上限値を選択肢化するような設問全般に応用できます。ネット調査であれば、数字のみや入力可能な数値に制限をかけることもできますので、より正確な回答を得ることができます。

1. 200万円未満(具体的に:        万円)<半角数字のみ/200未満>
2. 200~300万円未満
3. 300~400万円未満
4. 400~500万円未満
5. 500~600万円未満
6. 600~800万円未満
7. 800~1,000万円未満
8. 1,000~1,500万円未満
9. 1,500万円以上(具体的に:        円)<半角数字のみ/1,500以上>

2011-11-10 | Posted in 調査票の作り方No Comments » 

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