電話調査の現場:その2

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電話調査のお話の続きです。

大変な電話調査も、少しづつ回収を積み重ねていけば、いずれ目標数を達成することができます。さて、一体どのくらいの時間をかければ貴重な一票を獲得することができるのでしょうか。私たちは、1時間あたりの完了率というものをひとつの目安とします。現場ではCPHと呼んでいます。Complete per hourの頭文字を取ったものですが、これを見積や進捗管理の指標とします。例えば、一般的なB2Bの電話調査であれば、CPH=0.3といったところでしょうか。つまり、1時間で0.3票の有効票を獲得できる計算です。ということは、1件の有効票を獲得するために3.3時間かかるという訳です。実際には、案内状を送付してから、少し時間を空けて再コールなどということもありますので、ひたすら3時間電話をかけ続けるわけではありませんが、それでも大変な作業です。

大変な作業ゆえに、目標とする回収数を達成でいたときの喜びはひとしおです。それこそ、最後のインタビューが終了したときには、担当者と調査員から喝采が起きるくらいです。

2回に分けて電話調査について連載しましたが、いかがでしたでしょうか。
電話調査は、定量調査の手法の中でも、とてもチャレンジングな調査です。それでも、インターネットによる調査が一般的になっている日本とは異なり、欧米では依然として電話調査が定量調査(特にB2B)の定番として定着しています。他の調査手法が軒並みインターネットへとシフトしていく中で、意外にも電話調査は一定のシェアを維持し続けています。
それは、B2B調査の世界では、いわゆる消費者モニターのようにパネル化をしにくいという理由もあると思いますが、一方でデータ収集の方法として対面や聞き取りを理想とする元来の思想に基づいているからだと思います。だからこそ、マーケティングリサーチの歴史が長い欧米で、依然として重宝されているのだと思います。

2013-05-31 | Posted in Blog, リサーチ, リサーチ手法No Comments » 

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