Wiiでアンケート－みんなで投票チャンネル
任天堂Wiiのメニューに「みんなで投票チャンネル」というものがあります。Wiiをお持ちの方なら、一度くらいは試したことのある方もいらっしゃるので はないでしょうか。Wiiはインターネットに接続することで、様々なインタラクティブなメニューを楽しむことができますが、この「みんなで投票チャンネ ル」もそんなインターネットの双方向性を利用したコンテンツです。仕組みはとっても簡単です。画面上に表示される質問に「はい」「いいえ」で答えるだけ。 1月は『お餅つきしたことがある？』『今年はコマ回しをした？』といった新しい年の始まりにふさわしい質問でした。登録したプレーヤーをコントローラー で、「はい」か「いいえ」のゾーンに移動させるだけの簡単操作です。質問には有効期限が設定されており、受付期間が終了すると結果が発表されるというわけ です。
極めてシンプルな遊びですが、プレーヤーを飽きさせない工夫が凝らされています。まず、国内限定と世界共通の２通りの質問が用意さ れています。世界共通の質問では、世界中のWiiユーザーが寄せた投票結果が見られるというわけです。例えば、『外から帰ってきたら、手を洗う？』といっ た具合です。日 頃から業務で複雑なアンケートに慣れ親しんでいる私たちリサーチャーからして見れば、とっても素朴な質問です。でも、どうでしょう。簡単に調べられるよう なことではありませんよね。何せ、調査の実施エリアは世界なんですから！さらに驚くのが参加者の数。なんと最初の世界共通質問では50万票、国内限定でも 10万票もの票が集まったそうです！次に、投票だけではなく、投票結果の予測が同時にできます。言ってみれば、アンケートに参加しながら、クイズに答える ような感じでしょうか。結果を楽しみにできる工夫です。この他にも、プレーヤーが聞いてみたい質問を応募できる機能もあります。
任天堂の ウェブサイトでは「みんなで投票チャンネル」開発の舞台裏が紹介されていますが、発想の原点や開発の視点がピュアで、私たちのようにリサーチに関する様々 なテクノロジーに日頃から接している者からすると、改めて調査の在り方みたいなものを考えさせられてしまいました。「行き詰ったら原点に戻れ」というよう なことがよく言われますが、もしかすると「みんなで投票チャンネル」は、そんな戻るべき原点の一つかもしれません。これからも、「みんなで投票チャンネ ル」の参加者として、ときにリサーチャーとして楽しんでいきたいものです。
