This is it

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そこで見たのは、音楽を、人を、そして地球を愛し、それらの全てを歓喜させるために一切の妥協を排除した究極のエンターテイメントを提供することを運命づ けられたポップスターの姿でした。

映画が公開されて以来、FMからは毎日のようにこの映画を称賛するコメントが流され続けていました。

それはDJ自身の感 想であったり、リスナーから寄せられた投稿でした。そして、2週間という映画としては極めて短い期間で上映が開始されたこの映画の公開期間がさらに2週間 延長されたことを知ったとき、これは行かないといけないなと思いました。This_is_it_title.jpg

映 画は、2009年夏に予定されていたコンサートのリハーサルやバックステージの様子を編集し、コンサートの疑似体験ができるように作り込まれたドキュメン タリーです。

マイケル・ジャクソンが生きていて、たとえロンドン公演が成功に終わっていたとしても、こうした映像が世に出ることを本人は喜ばなかったで しょう。なぜなら、それは最高のエンターテイメントを作り上げていくプロセスであって、私たちに許されているのは、本来は完成された作品を観ることだけだ からです。しかし、映画は公開されます。それは、マイケル・ジャクソンに対する裏切りだったかもしれません。

だけど、少なくとも僕はこの映画を観 れたことを率直に喜びました。実は、その日に公開を迎えた別の1本を観る予定を立てていました。でも、どうしてもこの映画は観ておかないといけないという 思いがあり、その思いに後悔したくないという理由で最初は、この「This is it 」のチケットを予約しました。

映画が始まったときに、この映画を選択した自分を喝采しました。アーティストとオーディエンスのエネルギーが想定外の化学反応を引き起こすコンサートの形があるとすれば、マイケル・ジャクソンの創り出す空間はこれとは別物でした。

彼のそれは、観客を異次元へといざない、驚きの 連続を提供する緻密に計算された最高級のエンターテイメントだったからです。それは、映画の中で見せる音楽や魅せることに対するこだわりの強さ、スタッフ とのコミュケーションの中に見る謙虚でフレンドリーな姿から容易に想像がつきます。映画は、ドキュメンタリーであり、リハーサルでしたが、僕はスクリーン にくぎ付けになり、感動し、そして彼に詫びていました。そこで踊り、歌い、スタッフとともに考え、地球の未来を憂う姿は、数々のゴシップや奇行で塗り固め られショービジネスの世界で翻弄されたあのポップスターの姿ではなかったからです。僕が観たのは、おそらく自分が生きている間に彼を超える存在が再び現れ ることはないだろうと確信できるほど、慈愛に満ちた崇高なキング・オブ・ポップでした。そう「This is it (これが本物だ)」です。

2009-11-16 | Posted in その他No Comments » 

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